田山こんにちは!新小岩ルミエール商店街を抜けてすぐにある貸切プライベートサロンanfao(アンファオ)の田山裕紀です。
近年、大人女性の間で「グレイヘア」が注目されています。
自然体でかっこいい、年齢を受け入れて前向きに楽しんでいる姿勢に憧れる方も多いですよね。芸能人やモデルさんが素敵なグレイヘアを披露して、「私もいつかあんな風に…」と思ったことがある方もいらっしゃると思います。
確かに、白髪をあえて染めず、そのままの姿を楽しむのはとても素敵な選択です。
ただ、僕の美容師としての経験から言うと、「まったく染めない完全なグレイヘア」はおすすめしないケースが多いです。今回は、その理由をいくつかお伝えします。
1. グレイヘアは移行期間が大変
まず大きな理由が、「完全なグレイヘアになるまでの過程」です。
白髪は一気に真っ白になるわけではなく、黒髪とまだらに混ざっていきます。その途中経過はどうしても「疲れて見える」「老けて見える」といった印象につながりやすいのです。
芸能人やモデルさんは一気に全体をブリーチして白っぽくしたり、ウィッグや撮影用のメイクで美しく見せています。でも、日常生活で自然に伸ばしていく場合、その“中途半端な時期”が一番つらく、「やっぱりやめて染めたい」となる方がとても多いんです。
2. 肌色とのバランスが難しい
グレイヘアは白やシルバー系の色味になるので、肌の色を直に映します。
血色感がある方なら健康的に見えますが、多くの場合、肌のトーンが暗く見えたり、シワやくすみが強調されやすくなります。
つまり、髪だけではなく「肌」「メイク」「ファッション」すべてを意識してバランスをとらないと、理想のような“おしゃれなグレイヘア”にはなりにくいのです。
これは特に40代・50代から挑戦される方にとって大きな壁になる部分です。
3. ヘアスタイルの幅が狭まる
白髪を染めないと、髪色に変化をつけにくくなります。
カラーでニュアンスを加えることができないので、ヘアデザインはカットのみで変化を出す形になります。
もちろんカット技術で雰囲気は変えられますが、ヘアカラーが使えない分、どうしても表現の幅は狭まります。
季節ごとに少し色味を変えたり、顔まわりを明るくして印象をやわらかくするなどの工夫ができなくなるのは、長い目で見ると物足りなさにつながる方も多いです。
4. 実は手間もかかる
「染めないから楽そう」と思われる方も多いですが、意外とお手入れが必要なのがグレイヘア。
白髪は髪質が硬くなりやすく、パサつきやすいため、ツヤを出すケアやスタイリングに時間をかけないと「ただ放置しただけ」に見えてしまいます。
また、完全に真っ白になるまでは数年かかることもあり、その間は伸びてくる部分をどう扱うかを常に考える必要があります。染めない選択は“ノーメンテナンス”ではなく、“別の手間”がかかる選択なんです。
5. 「染めない」より「工夫して染める」ほうが自然に若々しい
白髪をまったく染めないという極端な選択をせずに、
- 白髪を活かすように染める
- 白髪ぼかしハイライトで自然に馴染ませる
- 明るめのカラーで伸びても目立ちにくくする
といった工夫をすることで、「自然で若々しい」印象にすることができます。
特におすすめなのが「白髪ぼかし」です。白髪を隠すのではなく、“活かす”という考え方で、伸びても境目が目立ちにくく、髪色全体が柔らかく見えます。
これなら途中の“まだらな時期”もカバーでき、将来グレイヘアに移行したくなった時もスムーズです。
まとめ
グレイヘアはとても素敵な選択です。
でも、現実的には「まったく染めない」というのはおすすめしづらいのが正直なところです。
- 移行期間がつらい
- 肌色やファッションとのバランスが難しい
- ヘアデザインの幅が狭まる
- ケアの手間は必要
- 染め方を工夫した方が自然で若々しい
こうした理由から、「完全に染めない」というよりも、「白髪を活かしながら染める」スタイルの方が、無理なく長く楽しめる方が多いのです。
「違和感なく自然体でいたい」
そんな想いに応える方法はひとつではありません。グレイヘアに憧れている方も、まずは染め方を工夫するところから始めてみるのをおすすめします。












